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アメリカの南北戦争と共和党/民主党に繋がるヨーロッパの民族区分

《幸也の世界へようこそ》《幸也の言葉》 → 《アメリカの南北戦争と共和党/民主党に繋がるヨーロッパの民族区分》


(この内容は 「ヨーロッパを理解するには」からの続きです)


  アメリカの大統領選挙や上院議員選挙で 共和党と民主党という二大政党の名が出てきます。
アメリカは 二大政党制をとっていて この二つの政党が交互に政権を担っています。
そして勿論 それぞれにその政策というものを持っています。
しかし 本当のところ この二つの政党は何が違うのでしょうか?
その違いの本質的なことはあまり語られません。

アメリカ合衆国は1776年の独立当時から今の形を持っていたわけではありません。
段々と 今の50州という形になっていきました。
そして アメリカは「移民の国」だということはご存知かと思います。
ヨーロッパから渡っていった白人たちが集まって作った国です。
つまり ヨーロッパ人が作った国です。
そのヨーロッパは すでに見てきたとおり 三つに区分されます。
アメリカを作ったのは その内の「北ヨーロッパ」の人々と 「南ヨーロッパ」の人々です。
つまり「ゲルマン系民族」と「ラテン系民族」とが作りました。

アメリカ北部は はじめはオランダの植民地 後にイギリスの植民地となりました。
つまりは北ヨーロッパのゲルマン系の人々が移住していきました。
アメリカ南部は スペイン領でした。
ですから南ヨーロッパのラテン系の人々が暮らしていました。
そして後にメキシコとなり 更に後にアメリカに買われました。
ですから 北はゲルマン系 南がラテン系となったのです。
そしてこの二つの民族の違いが南北戦争を引き起こしました。
南北戦争は 奴隷制廃止に賛成する北部と 奴隷制存続を求める南部との戦いでした。
なぜ このようなことになったのでしょうか?
北部は 工業が盛んになっていました。
南部は 綿の栽培を主とする農業が盛んで その綿の摘み取りのために奴隷を使っていました。
北部のゲルマン系の人々は「自助精神」を持っています。
「自助努力」が大事だということです。
自分の生活は自分の力で築いていく ということです。
ですから 「自ら働く」のが当たり前でした。
それに対して ラテン系は「棚から牡丹餅」を期待している人々です。
「楽をしたい」「苦労したくない」のです。
それでいて 贅沢な生活はしたいのです。
ですから 奴隷に働かせました。

そして 結局は北軍が勝ったということは ゲルマン系が勝ったということです。
全体のことを考えることが出来て 団体での行動が得意な
一つの目標に向かって一致団結できるゲルマン系が
各人の嗜好や感覚を優先させるために 全体のことを考えることができず
団体での行動は不得手でバラバラな南軍を負かしたということです。

そして 北のゲルマン系が共和党に 南のラテン系が民主党となりました。
ですから 共和党=ゲルマン系 民主党=ラテン系なのです。
ということは 共和党=自助精神であり 民主党=他力本願なのです。
それが 共和党と民主党の政策の違いです。
「自分たちの手で強いアメリカを作ろう」という共和党と
「弱者救済のためにばら撒こう」という民主党の。
「自助精神」のゲルマン系は 「自らの努力で成功者となる」
アメリカンドリームを体現していきます。
「棚から牡丹餅」を期待している「他力本願」のラテン系は
「楽して生きたい」ですので 各種保護や手当てを求めます。
そして 共和党はゲルマン系の特色である「全体を見る」ということをしますので
「世界の中でのアメリカ」を考え 「世界の警察」を自認しました。
それに対して 「自分のこと」しか考えないラテン系の民主党は
「自分の利益優先」ですから 国際政治よりも内政に目を向けました。

まとめると こうなります。

地域
旧宗主国 オランダ→イギリス スペイン
出身 北ヨーロッパ 南ヨーロッパ
民族 ゲルマン系民族 ラテン系民族
性質 勤勉/実直/理性的/実質的/ 怠惰/感覚的/情緒的/
労働に対する意識 自助努力 他力本願 棚から牡丹餅
生活態度 堅実 贅沢
政党 共和党 民主党
政策 自分たちの手で強いアメリカを 弱者救済のためのばら撒き
どういう人たち 自らの努力で成功するアメリカンドリームの体現者 保護を求めて働かない世の中の脱落者
 

最近の 民主党オバマ政権の時代と 共和党トランプ政権の時代とを比べても
これらの違いがはっきりと出ています。
裕福層に重税を課して それを貧困層にばら撒いた結果 失業率が上がったオバマ時代。
減税によって労働意欲を向上させ 史上最低の失業率となったトランプ時代。
「世界の警察」は辞めると言いながらも 幾多の戦争で軍事費を浪費したオバマ時代。
四年間一度も戦争をしなかったトランプ時代。

ということは これではっきりとしたはずです。
「多くの人が幸せに生きられる世の中」は どういう精神から出てくるのかが。
「自助精神」です。
「自分のことは自分でする」「自分に出来ることは自分でする」
「自分で消費するものは自分の力で得る」「働かざる者 食うべからず」

結局 アメリカという国は二百年かけて このような文明実験をして その結果を見せてくれたのです。



(2021年1月20日)



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