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楽器の演奏法

 




4)身体の動かし方の基本

 

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〔脱力〕

身体を動かすためには力を入れる必要があります。しかし 力を入れる前には 力が抜けていることが必要です。(これを「基本の身体の状態」で体得したわけです。) 常に出発点は「脱力」です。不要な力は入れない。余計な力は入れない。

 

〔落とす〕

動きの基本は「落とす」ということです。力を入れて叩くのでありません。力を入れて押さえるのではありません。力を抜くと 落ちます。この「脱力」+「落とす」ということが出来ると 伸びのある生き活きとした音が出せます。

 

〔脱力する理由〕

なぜ 脱力して落とすことが重要なのでしょうか? @動かすためにはその前に弛緩している必要があるから。 A動かしている時に不要な力が入っていれば 意図している速度と方向とは違う動きを作ってしまうから。 B不要な力みは 身体の中のエネルギーの流れや 宇宙エネルギーの流れを阻害するから。以上三つが理由です。

@はすでに納得しましたね? Aも理解できますね? ではBについてもう少し説明しましょう。身体というのは物質ですが 物質は原子そして分子そして 身体であれば細胞の集合体です。ところが それらの物質の中で本当の意味での物質は1%もありません。原子と原子との間は「隙間」なのです。空間なのです。(丁度 星と星との間のようなものです。) 全ての存在は 宇宙の中に存在しています。宇宙とは 宇宙エネルギーのことです。つまり 宇宙の中のどこにでも宇宙エネルギーがあります。ということは 身体の中の「空間」にも 宇宙エネルギーがあるのです。(だからこそ生存できるのです。) そして エネルギーは必ず動いています。ところが 力みはそのエネルギーの流れを阻害してしまうのです。(身体の「凝り」とはこのことです。あるいは 病気もこれが原因です。)

エネルギーとは 物質だけではありません。想念もまたエネルギーです。頭に余計な力が入っていると 柔軟な考え方が出来ません。ものごとを素直に受け止められません。(それが「頭が固い」状態であり「石頭」です。) かつ それは「ひらめき」を阻害している状態です。つまり 想念に余計な力が入っていると 宇宙エネルギーとの交流を妨げてしまうのです。想念に余計な力が入っている状態というのは すなわち「自我=エゴ」に囚われている状態です。

ちなみに 物質は力を抜くと下に落ちます。しかし 非物質は力を抜くと上へ上がっていきます。(「気が落ち込む」「気を落とす」というのは 気持ちが自我にこだわって力んでいる状態のことです。)

 

〔四種類の方向〕

動きの方向は「上下」「左右」「捻れ」「開閉」の四種類です。つまり 身体を動かす方向もこの四種類です。動きは「速度+方向」ですから 速度とこれらの方向とを意図し実行するということです。しかし 落ちるのは下への動きだけです。上に落ちたりはしません。ということは「落ちる」を基本として それに最小限の力を加えることによって方向を変えるわけです。

 

 

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