春が来る
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これまでの春と同じように
僕に、春の空気と思い出をはこんでくれる。
今日は昨日のつづきで、日々は流れていく。
新緑が芽ぶき、また新しい思い出がおとずれる。
いつか僕は今日を思い出すのだろうか。
いつか未来が今日となった時、
僕は春の空気と、運ばれてきた思い出の中に僕を思い出すのだろうか。
世界という大きな砂時計の砂が落ちていく。
その砂を止める力は僕にはなく、
僕の叫びは、
涼しい明け方の風、
又は黄金色の夕日、
又は夜の暗闇に消えていくばかり。
僕が止められるのはただ一つだけ
僕の砂時計だけ
僕の思い出だけ
(中学一年生の時の作)