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コントラバスの演奏法


1)楽器の構え方
〔立奏と座奏〕
楽器によって 立って演奏できるものと 椅子に腰掛けて演奏するものと そしてその両方共可能な楽器とがあります。 コントラバスの場合には 両方が可能です。多くの場合 オーケストラでは椅子を使っています。 では 独奏の時にはどうでしょうか? あるいは「基本」はどちらなのでしょうか?
コントラバスは 楽器そのものとして表現の幅が狭い楽器です。楽器が大きいので「鈍感」だからです。 それを補うには 身体の動きを最大限に使う必要があります。座奏の場合には 身体の動きが制限されます。 ですから表現の幅も制限されます。座奏の利点は 左手の動きが楽なるということです。 座奏では楽器は自ずと三点支持となり 楽器の構えが安定するからです。 表現力=演奏の表情の幅が狭くても 左手が楽に動かせた方が良いということであれば 座奏を選びます。 逆に 表現力=演奏の表情の幅の方が重要だということであれば立奏を選びます。

座奏

三点支持で楽器は安定する

左手の動きが楽

身体の動きが制限される=表現の幅が狭い

弦は弓の斜め下にある

立奏

三点支持が困難なので楽器が安定しない

 

身体が自由に動かせる=表現の幅が広い

弦は弓の横にある



〔三点支持〕
物を支える あるいは立たせる基本は「三点支持」です。三つの点で支えるということです。 (二点だけでは物は立ちません=安定しません。)
座奏の場合には 自然と三点支持になります。つまり 楽器は安定します。
立奏の場合には 床に触れているエンドピンと 身体(腹と腰の間)に触れている楽器との二ヵ所と 更にもう一ヶ所で支えないと安定した三点支持になりません。
人によっては 膝あるいは足先を楽器に触れさせています。 しかしそれでは折角の立奏の利点である「身体の動きを使って表現を豊かにする」ことができなくなってしまいます。
人によっては なるべく楽器を垂直に立てて 二点支持で演奏します。 この場合には ハイポジションでの演奏が困難になります。 ハイポジションを使わない合奏の時などはこれでも良いかもしれません。 人によっては ローポジションでは左手の親指で ハイポジションでは肩で支えることで三点支持にしています。

いずれにしても どう構えるかは
@体全体の力が抜ける A必要なところに必要な時に力を入れやすい
B左手が動かしやすい/弦を押さえやすい C右手の可動性が良い=弓を動かしやすい
D音そのものに氣を籠めやすい=エネルギーの流れを望んでいるようにしやすい
E身体と楽器とが一体となっている感覚
といった点に注意しながら決めます。



【目次】

0)初めに

 

1)楽器の構え方

〔立奏と座奏〕

〔三点支持〕

2)右手〜弓の持ち方

 

〔ドイツ式とフランス式〕

〔ドイツ式弓の持ち方〕

〔コツ〕

〔練習〕

〔上下動の練習〕

〔左右動の練習〕

〔弓を弦に乗せる練習〕

〔腕の重みを乗せる練習〕

〔弓が弦に当たる位置〕

〔音の初め〕〔音の終わり〕

〔表情〕

3)左手〜弦の押さえ方

 

〔弦の押さえ方〕

〔ポジションの移動〕

〔ヴィブラートのかけ方〕

4)ピッツィカート

 

5)音楽を奏でる

〔独奏〕

6)合奏

 

〔合奏の基礎〕

〔発音のタイミング〕

〔全体を聴く〕

〔オーケストラの首席奏者〕



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