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春一番

《幸也の世界へようこそ》《書庫》 《天使の詩》 → 《春一番》

春一番が吹く。僕の心に。君の心に。
春一番は、僕の心にほんの少しの悲しみと
君にたくさんの喜びを運んでいった。
僕は自分のしあわせより君のしあわせをのぞむ。
そのはかない、もろい春はすぎ、心もようは雨のち晴れ。
梅雨すぎた。これから夏が来る。 僕は自分をどんどん
まわりに同化させていく。
君も君を同化させていって、春のよろこび忘れ、
夏の太陽を自分のものにしていく。
そうして一年が過ぎていくと思っているのだろう。
やがてだんだん秋になって十月がめぐってくると僕も君も互いを思い出す。のだろう。
そして冬が来て、もうすぐ一年がすぎるなだなぁと思うころ、
一年前には僕は君の一番そばにいて
君が好きだったなんて、僕にはもうまったくわからなくて
思い出は過去なんだと、
そして思い出は永遠であるが
しかしそれは過去だと認めているのだと知り、
そして知りたくて今でも君が好きなんだと
でも君がしあわせになる方が僕はうれしいんだと
思い出は心の中にしかなく何処にもないから
いつまでも君を思っていたいと
また春がめぐってくるのをただ見つめているだけ
僕の気持ちなんかとうにわからない

(中学一年生の時の作)


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