メニューにカーソルを乗せると展開します

子育てについて

Ⅲ 出産

《幸也の世界へようこそ》《書庫》 《子育てについて》 → 《Ⅲ 出産》


 出産そのものの過程(破水・子宮の収縮・産道を通る・臍の緒・初乳・産湯・後産など)は 子育ての中では 時間的にとても短いものですが それが子供の成長や性格・人格 というよりもその子の人生そのものに与える影響は非常に大きいものです。
 出産のポイントは 子供にいかにショックを与えないかと 母体の骨盤の管理の二点あります。
 (出産時の出来事が子供に与える影響については 天外伺朗さんがその著作の中で述べられていますので参照されると良いかと思います。)

出産予定日

 これは 受胎したと思われる日からの日数で割り出したものですから あくまで平均値であり 目安にしか過ぎません。実際にいつ生まれるかは 子供に任せることになります。概ね 子供の性格によって おっとり型の子 大器晩成型の子は 予定日よりも後に生まれ 逆にチャキチャキ型 フロンティア型の子は 予定日よりも前に生まれるようです。

お産の場所

 出産は 自宅でするのが基本です。なぜならば それが母親にも子供にも最も自然な環境だからです。出産は病気ではありませんから 病院に行く必要はありませんし 敢えて病人が集まる=病気が集まっている病院に行く必要はありません。
 どうしても産院で生みたい場合(手助けしてくれる人が居ない場合など)には なるべく自宅出産に近い環境のところを選びます。(①出産する部屋の中が静かなこと ②部屋の中は薄暗く 照明も太陽光も直射しないこと ③母体がどんな姿勢にでもなれること ④出産後一週間は居られるところ ⑤自然出産に理解があり こちらの要望を聞き入れてくれるところ)
出産する部屋は予め準備しておきます。①部屋全体が薄暗くできるようにします。眩しい照明には覆いなどをします。カーテン・ブラインドなどで窓から日光が直射しないようにします。②出産に必要なものと 産後に必要となる新生児の服やオムツなどは どこに何があるのか誰にでも分かるようにしておきます。③音楽をかけられるようにしておきます。
 出産は薄暗い部屋でします。なぜならば 胎児はそれまでの十ヶ月間 ずっと暗い中に居たのですから いきなり明るいところに出てきたら当然ショックになるからです。そして 産後一週間は そのままの薄暗い中で過ごします。その後 次の一週間で段々と部屋を明るくしていきます。
 ちなみに 生後十日間に新生児を明るいところにおいておくと 瞳の色は明るくなります。逆に暗いところにおいておくと瞳の色は濃くなります。

破水

 破水してから 実際に子供が出て来るまでの時間は 非常にまちまちです。初産の時には時間がかかります。二度目以降ですと すぐということもありえます。いずれにしろ 破水したからといって 母親があわてないことが大切です。

子宮の収縮

 やがて 子宮の収縮が始まります。その間隔は はじめは15分間隔位だったのが 段々と狭まって 10分間隔になり 5分間間隔になり そして3分間間隔になります。間隔が狭まるにつれて 収縮の度合いも強まってきます。この強い収縮のことを一般に「陣痛」と言っていますが 収縮感のことを敢えて痛みとして捉える必要はありません。痛みとして捉えて母親が大きな声を出したり 苦しんだりしたならば 子供はそれをどう感じるでしょうか? 生まれてくることに対して罪悪感を抱くことになりかねません。
 出産が近づくにつれて 母親は「穴に入りたいような気持ち」になります。ですので 音楽も止め 周りに居る人たちも話し声に気をつけます。
 子宮の収縮が3分間間隔になったらば そろそろ生まれてきますので 母親にとって一番自然な姿勢をとります。四つんばい・しゃがんだ大便スタイル・横向きに寝る などこれは全く人それぞれです。
 胎児に「スルッと出てきてね」ともう一度声をかけます。そして 「子供が出たがっている」と感じたらば 力みます。それ以前に力んでも無駄なだけでなく 子供に余計な圧迫を加えてしまうことになります。子供の頭が見えてきたらば 介助の人は母親の肛門を押さえます。タイミング良く力めば スルッと出て来るはずです。

臍の緒

 子供が出てきたらば 母親はすぐに仰向けに寝て 胸の上に子供を乗せます。この時間(=出てきてから母親に乗せるまでの時間)はなるべく短くします。子供が出て来る時も 出て来てからも 周りに居る人たちはなるべく静かにしています。出産は子供のためのものです。親や周りにいる大人のためのものではありませんから 興奮する必要も騒ぐ必要もありません。
 一時間ほどこのままにしておきます。ただし その間に臍の緒の脈動が止まるのを確認します。脈動が止まってから20分以上立ってから 臍の緒を切ります。臍の緒を新生児の側から母体に向かって数回しごく様にし 子供から10~15cmのところ二ヶ所を糸で縛って その間を鋏で切ります。20分以上たっていても全くかまいませんので 胎盤が出る時までそのままにしておいても大丈夫です。 

後産

 胎盤は 自然に出てくるまで待ちます。出産後30分~2時間と人によりまちまちです。
この間に 新生児は 母体の上で乳を探すかもしれません。初乳を与えるのは胎便の排泄を促します。 (その後数時間して 胎便が排泄されます)
 初乳の後 母乳を与えるのは24時間後です。(胎便が排泄される前に何度も乳を与えると 胎便はきちんと排泄されなくなってしまいます。)

産湯

 出産後一時間ほどしたら 産湯に入れます。湯温を37.5度に用意し 更に差し湯して温度を上げるための熱いお湯も用意しておきます。子供を抱き上げる手を子供の体温に暖めておきます。子供に「暖かいぬくぬくのお風呂に入っていい気持ちになろうネ」と声をかけて 37.5度のお湯に90秒間入れます。身体は手でそっと洗います。一旦お湯から出して 湯温を38度に上げて更に30秒間入れます。タオルと お風呂の後に着せる服は 人肌に温めておきます。特に冬には必ず暖めておきます。タオルで身体の水気を拭いたらば また母体の上に戻します。なるべく 子供が母体と離れている時間が短くなるように手際よくします。

骨盤

 出産の時に 母体の骨盤は開きましたが その開いた骨盤はゆっくりと元の状態に戻っていきます。ゆっくりとは およそ六週間です。この六週間の間は 重いものを持ったり 本を読んだりして目を疲れさせたりするのを避けます。なぜならば 目と腕とは母乳の出に関係しているからです。
 六週間かけて徐々に締まっていく骨盤ですが 特に大切なのは出産後の初めの数日間です。なぜならば 骨盤は はじめの内は 左右が同時にではなく片側ずつ動いていくからです。この骨盤が左右片側ずつ締まっていく時に骨盤に力が加わると 左右が不対象のままで固定してしまうことになります。ですので それを避けるために 骨盤が片側ずつ動いている時には 起き上がらないようにします。
 骨盤が片側ずつ動いている時には 身体の左右で体温が違っています。この温度差を利用して いつ骨盤の動きが左右一緒になったのかを捉えます。後産の後 八時間ごとに身体の左右で同時に体温を測ります。はじめは体温に差があるはずです。三日~一週間の間で 左右の体温が揃います。八時間ごとに計って 三回続けて左右で揃ったらば起き上がります。ですので 出産後それまでの数日間は決して起き上がらない/立ち上がらないということになりますので その間の生活の用意も予めしておく必要があります。(産院で産む場合には このことも了解してもらう必要があります) 



このページの初めに戻る

《子育てについて》目次