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宇宙の中に生きる

《幸也の世界へようこそ》《幸也の言葉》《公演でのお話から》 → 《宇宙の中に生きる》


私・幸也は
自作の曲の演奏を主にしていますけれども
クラシックの曲の編曲も演奏曲目に入れています。
そもそも 「今の時代に 未来に向かって生きている」
今の時代の人々のために作曲し演奏することを選んだにもかかわらず
なぜ クラシックの曲も演奏するのかということ
それは 地球人類の特色のひとつが
「過去にこだわる」ということだからです。
人間は 過去にこういうことがあった こういう体験をした という
そこから「今」のことを考え 「未来」のことも推測します。
つまり 「聴いたことのあるメロディー」「知っている曲」が
私の演奏会でも聴けたら良いな という方々がいらっしゃるからです。

そして 地球人類のもう一つの特色は
「感情表現が豊か」ということです。
私の音楽の演奏を聴いて
「感情表現が無い」ということに気付かれたでしょうか?
それに対して クラシック音楽には 感情表現があります。
感情表現を好む人が多いからというのも
クラシックの曲を入れている理由です。


このように 地球人類の特色は
「過去にこだわる」ことと「感情表現が豊か」だということですが
もう一つ 地球人類の特色として挙げられることがあります。
それは
「自分がどこにいるのかを自覚していない」
ということです。

そう言われると
「いや 分かっているよ 今は八重洲ホールの中にいるんだ」
という声が聞こえてきそうですけれども
では この八重洲ホールというのは どこにあるのでしょうか?
そう 東京です。
でも 東京はどこにあるのでしょうか。
日本の中です。
日本はどこにあるのでしょうか?
東洋の一部です。
東洋は 地球の一部です。
地球は?
もうここまででお分かりの方もいらっしゃいますね。
そうです 私たちは
「宇宙の中」に居るのです。

しかし このことを自覚して生きている人は
どの位居るでしょうか?
現代の世の中では ほとんど居ないかと思います。


そもそも 「宇宙」とは何なのでしょうか?
科学者は物事を「物質」としてしか見ませんから
宇宙は星が沢山ある空間だという捉え方をしています。

私たちの誰もが「宇宙」の中に存在しています。
一切の例外無しに 全てのものが宇宙の中に存在しています。
ということは 宇宙というのは その中に全てのものを含んでいる存在です。
そして それら宇宙の中のものを誰が創り出したのでしょうか?
それは 宇宙そのものです。
そして 宇宙は自らの中に生み出した全てのものを
存在させ続けています。
ということは 宇宙というのは
ものを「生み出し」「育み」「生かす」意識体なのです。
ものを生み出し 育み 生かすということは
「生成発展」の意識体でありエネルギー体なのです。

そして 私たちは誰もがこの宇宙の中に存在しています。
ということは 私たちの誰もがこの宇宙の一部なのです。
一部だということは 宇宙そのものと同じ 同等なのです。
私たちもまた「生成発展」のエネルギー体なのです。

このことを 今地上に生きている人間のうち
どれだけの人が自覚しているでしょうか。


昔の人たちは
今の時代の私たちよりも ずっと
「自然の一部」「宇宙の一部」であることを
自覚して生きていました。
ですから 昔の人は朝起きると
朝日に向かって手を合わせて挨拶するのが当たり前でした。
けれども 今の時代にそれをしている人は一体
どの位居るでしょうか? 

宇宙とは「生み出し」「育み」「生かす」意識体ですけれども
私たち地球人類は そのとおりに生きているのでしょうか?

そうです。
人間は 時代と共に「宇宙」の意識から 遠ざかっていっているのです。
今の時代には特にそれが顕著です。

人間が他の動植物と違っている点が 幾つかありますけれども
そのうちの一つが
「人間には ものを作れる」ということがあります。
猫や犬には ものを作れません。
人間が人間である所以の一つは
「ものを作れる」ということなのです。
しかし 今の世の中を見て下さい。
昔は 自分で食べるものは 自分の手で作るのが当たり前でした。
けれども 今の時代には 自分で食べるものを
コンビニで買ってくる スーパーマーケットで買ってくる
あるいは外食しに行く というように
自分の手で作らない人が増えています。
ということは「ものを作れる」という
人間であることを放棄している人が多いということになります。

「育む」という点ではどうでしょうか?
昔は 家族の誰もが お互いに顔を見て暮らしていました。
けれども今の時代の 子育てをしている世代を見て下さい。
子供の顔を見ている時間と
テレビやパソコンやスマートフォンの画面を見ている時間と
どちらが長いでしょうか?
それで「子育てをしている」と言えるのでしょうか?

「育む」という点においても同様です。
子供の顔を見ていない人たちは
大人同士での関係でも相手の顔を見て 相手の話しを聞いてはいません。
それをせずに 人の長所や才能を認めて発揮させることが出来るでしょうか?

結局 現代の人々は
「生み出す」「育む」「生かす」という
人間本来のあり方 あるいは宇宙の意識から どんどん離れていってしまっているのです。


私の音楽は
感情表現ではありません。
喜怒哀楽の表現ではありません。
では何を表しているのでしょうか?

「喜怒哀楽」という感情表現は
肉体という物質に基づいたものです。
それを離れて
宇宙そのものの姿を 宇宙そのもののあり方を表し
そして 私たち一人ひとりが その宇宙の中に存在しているということを
表現しているのです。
それをお一人お一人に思い出して頂けるように
感じ取って頂けるようにと
音楽を作り演奏しているのです。

ですから 感情表現ではない私の音楽から
そのように 私たちの誰もが
宇宙の中に存在し 宇宙の一部として存在し
本来は 宇宙と同じ意識体なんだということを
感じ取って頂けたらば幸いです。

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(この文章は 2015年11月2日 東京の八重洲ホールで行われた演奏会での
演奏の合間の話しを  文章化しまとめ直したものです)


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