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楽器の演奏法

 




7)練習

 

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ということは 練習の第一歩は「想像する」ということなわけです。

これが 玄人と素人との違いなのです。玄人=プロは 「想像する」「イメージする」ことから始めます。素人=アマは それ無しにいきなり楽器を弾き始めます。「どう弾くのか」を決めないで弾き始めます。つまり 行き当たりばったりです。

玄人=プロとは 先ず頭の中でその音楽の完成形を作り上げます。そして それを実現するために楽器の練習をします。個々の音がどういう音色/音質か。フレーズ内での流れは。次のフレーズへの繋がりは。楽章あるいは楽曲全体の流れは。

練習とは 「意図する⇒実行する⇒観察する⇒修正する」の繰り返しです。(これも起承転結です。)つまり 上達しない人というのは この四つの過程の内のどれかをしていないのです。

 

練習の基本は 音階と分散和音です。なぜならば 全ての音楽の音の動きは 隣りの音に移行するのか 離れた音に移行するのかのどちらかだからです。異なる調で 異なるリズムで 異なる速さで練習します。練習の目的は二つあります。物質的なエネルギーの動きと 非物質的なエネルギーの動きとです。

@身体の各部位の動き すなわち 指の動き/(弦楽器の場合には)弓の動き/(管楽器の場合には)息の動き/足の動き/肩の動き いずれもがどの方向にどういう速度で動いているのか 動くべきなのかを観察し調整します。

A想念と身体 すなわち「自分」という存在全体のエネルギーの流れを意識し観察し調整します。先に取り上げたように 「演奏」とは「祈り」です。「祈り」とは「宇宙の中でのあるべき状態」であることを想像することです。その「宇宙の中でのあるべき状態」とは すなわち「宇宙そのものと同じ状態」です。宇宙とは「愛」という意志と 「調和」という想念による意識体です。それだけの存在です。ということは「演奏」=「祈り」=「宇宙意識と同じであること」ですから すなわち「愛と調和だけ」の状態となることです。出している全ての音が「愛と調和」だけの状態になるように 自らの想念が音へと流れて行くようにします。その時に 「想念が流れて行く」と思うと 頭から流れ出ていくように思ってしまうかもしれませんが 愛のエネルギーの中心は胸です。胸から手や息を通って音へと流れて行きます。

「頭(想念/想像)」と「胸(愛)」と「丹田(身体の中心)」との三つが自ずと統合されている状態になるように意図し観察し調整します。(これらの三ヵ所はいずれもが「チャクラ」といわれているところです。チャクラとは身体にある七箇所のエネルギーの節(ふし)です。) 

「頭(想念/想像)」は 第六チャクラ=眉間の内部(の松果体)

「胸(愛)」は 第四チャクラ=鳩尾(みぞおち)周辺

「丹田(身体の中心)」は第二チャクラ=臍の下8〜10cmの内部

音階と分散和音との一つ一つの音で どういうエネルギーがどこをどう通っていくのかを丁寧に観察し調整します。(これは「8)エネルギーとその流れ(上級用)」に続きます。)

 

楽曲の練習は 一小節ごとにします。先ずは第一小節だけをゆっくりから初めてインテンポで頭の中に思い描いていた完成形の通りに出来るまで繰り返します。次の 第二小節を同様にゆっくりから初めてインテンポで。そして次には第一小節と第二小節とを繋げて。

そして 第三小節 第四小節 第三と第四小節 と進み そこまでいったらば第一小節から第四小節までを繋げます。

 

もし 思い描いていたように演奏できないのであれば それはエネルギーの動き すなわち「速度」か「方向」が間違っているからです。身体の動きの「速度」と「方向」が 楽曲のあるべき動きに合致していないわけです。

とにかくすべきことは 「動きを意図する⇒実行する⇒観察する⇒調整する」 それだけです。ひたすらこれの繰り返しです。すでに説明したように 動きには「想念の動き」「身体の動き」「楽曲の動き」の三つがあります。ですので この三つを合致させます。

 

 

多くの人は 「練習」=「技術的な練習」だと思っています。「音楽を奏でる」のが最終目的であるにもかかわらず。ですから「技術の練習」と「音楽を奏でる練習」の両方を意識しましょう。

そして 「技術の練習」というのは 一言で言えば「コツを掴む」ということです。どうやったらば 無駄な動きが無くなるか。無駄な力が抜けるか。それらは「コツを掴む」ということなのです。それ無しに何度繰り返しても無意味です。逆に 不自然な状態に慣れてしまうだけです。だからこそ(最初に戻りますが)「どういう状態を実現したいのかを想像する」ことが大事なのです。

@想像する⇒A観察する⇒Bコツを掴む これの繰り返しが練習です。

 

 

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