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子育てについて

三歳半からの子育て

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自立と反抗期・・・親が作り出すもの

 四歳を過ぎると 「反抗期」と一般に言われている時期に入る子供がいるようです。子供が親に対して反抗する 親の言うことを聞かない わがままを言う といったことが「反抗期」の特徴とされています。
 なぜこの時期にそれが起きるのかというと 子供の独立の時期だからです。それまで 四歳になるまでは母親と一体である(ことを求める)時期でしたが 三歳半から四歳にかけて徐々に 子供自身が「自分と母親とは別個の存在だ」という認識をし始めるようになります。それに伴って 「自分のやり方」「自分のしたいこと」をはっきりと表現するようになります。
 では なぜ 子供は「反抗」という形を取るのでしょうか。誰に対して反抗しているのかというと 親に対してです。どうして反抗するのでしょうか? 親が自分の言うことを聞いてくれないからです。自分の願いを聞き入れてくれないからです。自分の気持ちを分かってくれないからです。
 つまり 「反抗期」の原因は 唯一の原因は それまでの子育てで「親が子供の言うことを聞き入れてこなかった」ことにあります。この時期になって 四歳を過ぎてから 子供が親に対して反抗する わがままを言う という行動を取るようにはなりますが その原因は はるか前から 子育てを始めた時に始まっており それまでの四年間で「親が子供にどう接してきたか」が そのまま 子供が親にどう接するかに現れているのです。
 つまり 「反抗期」とは 子供が親に反抗しているのでは無くて 親が子供に反抗してきた それを親自身に見せてくれている ということなのです。

 これまでに述べてきた子育てをしていれば 「反抗期」は来ないはずです。なぜならば 子供が親に反抗したり わがままを言ったりする必要が無いからです。もしも 「反抗期」の症状が出てきたのならば それは 100% 親がそうなるようにしてきたのです。四年間かけて 親が子供の言うことを聞かず 子供の思いを聞き入れず 子供のしたいことを制限し禁止し あるいは親の都合を押し付けてきた その証なのです。

 ですから 本来は 「反抗期」はありません。無いものを作り出したのは 子供ではなくて 親自身です。親の子供への接し方が生み出したものです。

 では もしも「反抗期」が始まってしまったらば どうしたら良いのでしょうか。答えはとても簡単です。今までに述べてきた子供への接し方をすれば良いのです。たったそれだけのことです。親が今まで子供にどう接してきたのか そのやり方が間違っていたのですから それを変えれば良いだけのことです。

 「子供のいうことをきちんと聞く」「子供の言葉にきちんと耳を傾ける」「子供の言ったことにきちんと(=誠意のある)返事をする」「親の都合を押し付けない」「(理由も無く)禁止しない」こういったことを心がければ たとえ反抗期が始まったにしても 子供にとっては反抗する相手がいなくなる訳ですから 当然反抗しなくなります。もしも反抗期が続くのであれば それは 親が子供への接し方を変えていないからです。あるいは反抗するように接しているからです。
 そして そのような 子供が親に反抗するような環境というのは すなわち 人と人とのぶつかり合いですから 居心地の良いものではありません。ここで 子供は 「自分の居場所が無い」「自分の家なのに居心地が良くない」「自分は(親に)受け入れられていない」=「自分は親に可愛がられていない」といった気持ちを(無意識のうちに)持つようになります。

 すでに述べてきたように 全ての生命は天国からこの世に生まれてきます。しかし 家庭の中で 親の子供への接した方から 子供は天国にいたときとの非常な違いを感じつつこの世で生き始めることなります。それがはっきりと表現されるようにあるのが「反抗期」なのです。それまでに親が家庭の中で作り出してきたのは「ぶつかり合い」の人間関係でした。「受け入れない」人間関係でした。「認めない」接し方でした。それらは 天国でのあり方とはとてもかけ離れているのです。天国の反対 地獄でのあり方なのです。つまり 親は家庭の中で地獄を作り出しているのです。そして 四歳になった子供が「反抗期」としての症状を表すということは 地獄の住人を一人増やしたことが明らかになった ということなのです。そういう家庭を作りながら そういう子育てをしながら 「世の中ではこんな悪いことが起きている」「暮らしにくい世の中になった」などと言っても それはその人自信がその様にしていることの証しなのです。

 ですから 子育てを始めてからの四年目は 親にとっての最初のはっきりとした自覚の時期だといえます。それまで親が子供にどう接してきたのかが はっきりと目に見える形で現れるからです。(実際にはそれ以前から現れているのですが・・・)
 親がしてきたことが そのまま子供の姿として 子供の行動として現れているのですから こんなに分かり易いことはありません。
 そして これまでと同じやり方で子供に接するのか それともそれを変えていくのか その選択は極めて簡単なことです。

 もっと後に いわゆる思春期になってからの反抗期もあります。これは正確には反抗期ではなく「自立期」です。一人の人間としての自意識が芽生えてきて 「自分と親とは別の人間だ」と認識するようになる時期です。「別」ということは「違う」ということだと認識します。ですから「自分は親とは違う」ことを確認したい言動が いわゆる「反抗」という形で現れているのです。ですからこの時期には「自立心/独立心が芽生え始めているのだ」という認識をもって子供と接します。


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